「約束 壱」
「着きましたよ お客さん、起きて下さい」
タクシーの運転手さんに起こされた
年末になって毎日残業だ![]()
体は疲れに疲れ
肩や腰のコリも半端なものではない![]()
そんな状態にも関わらず、年末恒例の「
忘年会
」は待ってくれない
所属部署、付き合いのある業者さん、親切心から誘ってくださる顧客のみなさん
忘年会が目白押しだ
「すいませ~ん、今日、すんごく疲れているので忘年会はパスの方向でっ
」
そう言えたら、とても楽なんだけど
そりゃ、私だって酒は好きだ![]()
そして酒を飲んだ後に歌え
と言われれば、断る理由が見つからないほど
カラオケだって大好きだ![]()
ところがところが・・・づがれでいるんだよぉ~![]()
仕事が終わったら、マッハ![]()
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の速度で
家に帰り
風呂にバブを入れて肩まで浸かり、ゆっくりしたい・・・
しかし「忘年会」がそれを阻む
断れない・・・「忘年会」 これは何かの罰ですか?・・・の「忘年会」
海は死にますか?山は死にますか?・・・の「忘年会」が
私の、一日を過ごしてきた最後のパワーを根こそぎ奪うのだ
キツイ・ツライ・(自分の命を縮める)キケン、そんな3K忘年会が今日も終わった
「今年もあと少しでお終いだから、お互い、頑張りましょうね
」
相当ヨレヨレに見えたんだろうね、タクシーから降りる間際
運転手さんは私に温かい言葉を掛けてくれた
「あいん」
運転手さんに、なんてマヌケな返事をしてしまったんだろう?
そう思った時には、すでにタクシーは
自宅マンション前に私を残し
走り去っていくところだった![]()
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キーを取り出し、ドアのロックを解除しながら
‘風呂・・・いいかな・・・今日は。明日の朝、シャワーを浴びればいいし、もう寝たいな’と思った
せめて顔ぐらい洗おう
と頭が命令しても・・・
ダメだ・・・体が言うことを聞いてくれない
足が勝手に寝室へ向かっていく
もういいや
このままベッドに倒れ込んじゃえっ![]()
柔らかいベッドへ倒れ込めば、今日一日が終了だ
強烈なアッパーカットを入れられ、リングに倒れ込むボクサーみたいに
安堵と安らぎのベッドに倒れ込んでしまおう
柔らかいベッドに・・・
その柔らかさに包み込まれて、ウットリするくらいの眠りを貪るために
ベッドへ・・・
眠いから・・・
ベ・・・?
えぇ?
えええええぇぇぇぇぇーーーぇぇぇぇぇえええええっ![]()
誰かがベッドで寝ている
一人暮らしの自分の家に、知らない人がいる
そして自分だけしか使わないベッドの中に
その知らない人は横たわっている
だ だ だれ?
続く・・・
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